不利益変更の禁止

明けましておめでとうございます。

本年も弁護士法人心岐阜法律事務所を宜しくお願いいたします。

本日は、障害年金における不利益変更の禁止についてお話します。

障害等級３級認定がなされたたものの、納得できず、２級を目指して審査請求や再審査請求等の不服申し立てを行うことがあります。

しかし、不服申し立てをした結果、かえって、３級の認定が不支給になるなど不利益に変更されることはないか、と不安に思われる方が少なくありません。

この点、民事訴訟法３０４条には、第１審判決の取消及び変更は、不服申立ての限度においてのみ、これをすることができる」と定められています。

審査請求や再審査請求は判決ではありませんが、この民事訴訟法３０４条を類推適用し、請求人が申し立てた範囲外の不利益な裁決をすることは許されないと解されています。

したがって、不服申し立てを行ったものの功を奏しなかったとしても、３級の原処分が取り消されることはなく、審査請求や再審査請求が棄却されるにとどまります。

なお、社会保険審査官が決定に、また、社会保険審査会が裁決に法令違反を発見したときは、決定書や裁決書が送付された後２週間以内に変更することができるとされています。